2010年6月30日水曜日

片山杜秀書評、2010年6月

先月に引き続き、ツイッターから転載。

6/6讀賣書評。片山杜秀の担当はダニエル・レヴィティン『音楽好きな脳』。小脳は音楽に反応し敵から逃げたり獲物を捕まえたりするのと関係しているらしい。石原あえか『科学する詩人ゲーテ』も取り上げられている。2月に片山が書評した末延芳晴『寺田寅彦 バイオリンを弾く物理学者』を想起する。

6/13讀賣書評。片山杜秀は休。河合香織評、小関智弘『越後えびかずら維新』に注目。瞽女の語る川上善兵衛の日本ワイン事始め。「瞽女は男性と恋仲になれない掟がある…その思いを込めるかのように」言い難いことも進言した由。「はなれ瞽女おりん」の世界だ。

6/20讀賣書評。片山杜秀の担当は北村寿夫『新諸国物語』第1巻(作品社)。同作は戦後初期の国民的大ヒットシリーズであり、島国に押し込められた日本の国民感情が反映されている。さて来週の片山さんは。難しいが堀江則雄『ユーラシア胎動』(岩波新書)か

6/27讀賣書評、片山杜秀の担当は川本三郎『いまも、君を想う』。対談したばかりだしなあ。本書は結びに短歌が数首出てくるのが鍵。亡妻記は「俺の悲しみは俺にしか分からない」になりがちだが、短歌は言葉が削られる分思いが匿名化して共有可能になりやすい。

※付録

6/23朝日夕刊、片山杜秀の演奏会評。スウェーデン放送合唱団の「薄くても破れない」声を「天才陰陽師が水も漏らさぬ結界を張るかの如し」と評。非実在を比喩にもってくるとは参った。曲目はバーバー「アニュス・デイ」、マルタン「ミサ」、サンドストレーム「主を讃えよ」、プーランク「人間の顔」

0 件のコメント:

コメントを投稿